2012年3月14日水曜日

ローカライズの意味


AGMブログを投稿することになりました新入社員です。
以前何度か投稿しましたが、これからは更新を担当することになりました。新人ということもあり、見苦しい記事になってしまうこともあるかと思いますが、よろしくお願い致します。

まず、翻訳業界に身を置くようになって考えなければならなくなったのが『ローカライズの意味』です。
私は元々PCゲームをプレイしていたという経緯もあり、ローカライズという言葉は耳にしていたのですが、恥ずかしながら翻訳と同じものと考えていました。・・・というよりも、『翻訳・ゲームの日本語化などと同意語』と考えていたというべきでしょうか。

ですが、実際には翻訳した=日本語版としてOK、にはなりません。(当然と言えば当然ですが。)
ゲームをデバッグして、表現的におかしくないか、日本語と英語の一文の長さの違いから生まれる文字数オーバーなどがないかチェックしなければなりません。
また、海外のゲームを日本で発売する際には、その作品が過激なものだった場合、規制がかかってしまい、問題となる演出を削除しなければなりません。
こういった作業を含めた翻訳をローカライズというようです。

実際にこれが正解なのかどうか、素人ということもあり判断できませんが、経験を積んで、いずれ自分なりの答えをしっかり持てるようになりたいです。

2012年3月13日火曜日

稀に見かける翻訳


多くの翻訳者の方は機械翻訳のような文章ではないことは存じておりますが、翻訳されたゲームを見ていると、稀に日本語として意味不明なものがあります。
それが一、二箇所ある程度であれば修正する箇所はそこだけなので、大した問題にはならないのですが、数が多くなってくると全文を見直した上で、翻訳された文章を改めて日本人が理解できるものにしなければならなくなってしまいます。

私は文章のプロではありませんが、そういった意味不明な文を見ていると、非常に気になってしまう人間です。私が気になる程度で済んでしまえば大きな問題にはならないのですが、日本語の単語が並んだ形になってしまっているものは、翻訳された方が文章をしっかり理解していない場合が多く、原文から意味がやや離れてしまっているケースがあります。これを校正すると、過程でミスが起こりやすくなってしまいます。
もちろん、そういったミスを減らすために原文と翻訳された文の確認など、できる限りのことはしていますが、和訳翻訳者ではないため、効率が良くありません。
そして何より、そのゲームをプレイしているユーザーは困惑してしまいます。日本語版を購入したはずなのに、しっかりと日本語として伝わってこないため、例えば、ゲームの登場人物の話していることが分からない、目的やストーリーが分からない、最悪の場合ゲームの基本ルールが分からないといったことになりかねません。
このような事態を引き起こさないようにするためにも、たかがゲームと考えず、一つの作品をより良いものにし、作品を完成させるお手伝いも兼ねていることを頭の隅に入れて翻訳をして頂けると非常に嬉しいです。
なので、翻訳を仕事とされている方々には、なるべく日本語としてしっかり翻訳できているかの確認は怠らないようにして頂きたく思います。(先にも述べましたが、多くの翻訳者は確認された上で納品しているかと思いますが・・・。)
私も急いでいたりすると、しっかりと見直しをしていない時にやってしまうことはありますが、大抵の場合、文章を改めて読み直して見直すことでかなりの部分を解消することができるように思えますので・・・。
今回の記事は、上から物申すような形になってしまい、申し訳ございません。
私もまだまだ、日本語の校正をし始めたばかりの身ですが、ゲーム翻訳のお手伝いをしている以上、少しずつ確実な校正ができるよう精進していきたいと思っています。

2012年3月8日木曜日

GDC


唐突ですが、皆さんゲームはお好きでしょうか。
私はゲームが大好きなこともあり、かつゲームの翻訳業界に身を置いている以上、なるべく様々なゲームの新作情報を耳に入れるようにしています。
さて、この時期と言えば、なんと言ってもGDC(ゲーム デベロッパーズ カンファレンス)ですね。そのGDC35日に開催されて、すでに4日目になりました。
個人的にゲーム分野で最も大きなニュースだと感じたのは、2003年に発売され『SimCity4』の正式な続編が発表されたことです。
SimCity4』と言えば、発売当初は高性能パソコンの性能をもってしても、快適に遊ぶことができず、話題になったゲームです。最近では、パソコンが進化したことにより、市販のパソコンでもある程度快適にプレイすることができるようになったこと、またインターネットの普及によって、ゲームのプレイ動画を簡単に配信できるようになったことから、作品を知る人が増え、購入者が爆発的に増えました。(201238日現在、9年前のゲームがPCゲームの販売ランキングで11位なのは、異例中の異例かと思われます。)
昔から今日にかけて有名なSimCityシリーズですが、SimCity42003年に発売されて以来続編が出ておらず、Maxis10年ぶりに発売するということで、正統なSimCityの続編として、大きな期待ができそうです。(2007年に『SimCity Societies』が販売されましたが、SimCityシリーズ開発元・ウィル・ライトが関わっていなかったため、ここでは続編として扱いません。)さらに今作では、新開発の「GlassBox Engine」も搭載され、オンラインモードによって、友人とのマルチプレイも可能になるとのことです。待ち遠しいですが、続報を待ちましょう。

他にも、『Battlefield3』の新DLCの発表やMedal Of Honorシリーズの最新作『Medal of Honor Warfighter』の発表を始めとしたゲーム分野の発表、また去年発表されたWindows8の続報などなど、まだまだ気になるニュースはありますが、今回はこれにて失礼致します。

2012年3月7日水曜日

パソコンゲームの敷居


  近年では様々なジャンルのパソコンゲームが世に出ており、中には非常に要求スペックの高いものも存在する。これは昔からあることで、その時最新とされるパソコンゲームは要求スペックの高さから、販売されている最新のパソコンでグラフィックを最高設定にしてプレイすることは難しく、あまりにも要求スペックが高いとハイスペックのものですら起動させるのがやっと、というものまである。

だが、2012年になり事情はだいぶ異なってきている。CPUを中心とした技術革新によって、市販のメーカーパソコンの性能が全体的に底上げされたため、家庭用パソコンでも設定さえ変えれば比較的容易にパソコンゲームができるようになったからである。
これにより、パソコンゲームは昔に比べて敷居が下がり、『最新の作品を最高画質でプレイしたい』という要望でもなければ、昔のようにハイスペックパソコンを購入したり、自作でパソコンを組み立てたりする必要がなくなった。
私はパソコンゲームをやり始めたのが2009年頃で、GPUCPUが大きく成長した時期だったこともあり、購入して1年ほど経つとパソコンゲームをやるために買ったはずのパソコンが一般向けに売られ、その34倍の性能を持つ製品がゲーム用パソコンとして売られていたことを覚えている。
また、パソコンゲームは海外で今、大変な盛り上がりを見せており、例えばBethesda Softworksの「The Elder Scrolls : Skyrim」は発売してから2日間で340万以上の売り上げを獲得しているし、最近では、Half-Life2Modを元に開発されたインディーズタイトル「Dear Esther」がローンチ6時間後にはすでに開発資金を回収し、一日で16千もの売り上げを出している。

日本の作品よりも海外の作品で盛り上がりを見せており、翻訳された作品の値段が高いという印象も未だについてまわるものであるが、インターネットの発達によって、有志によるMod(改造データ)や弊社のPLAYISMのように海外のパソコンゲーム翻訳し、安価で売るサイトも姿を現し始めてきている。
日本では昔から家庭用ゲームがよく売れ、パソコンゲームは家庭用ゲームに比べると伸び悩んだ印象があったが、これを機にパソコンゲームに手を出してみるのもあり、ではないだろうか。

2012年3月6日火曜日

謎解き


翻訳されたゲームのデバッグをしていて、たまに焦ってしまうことがあります。それは予想以上にゲーム内の謎解き(パズル)が難しかった時です。特に言語を活かしたパズルだった時、難しい以上に理解できないものになってしまいます。
もちろん販売する前に修正しますが、一つ大きな壁に当たってしまいます。それは原文で読めば分かる可能性があるのに、翻訳されたがために難易度が上がってしまい、分からなくなってしまうというものです。
なので、私がゲームの翻訳をチェックする際には、『日本語で理解できるかどうか』という点に、特に注意を払っています。例えばですが、簡単なパズルでしたら、すぐに答えを出すことができますが、これが言葉のパズルに変わると非常に難解なものになる場合があるからです。

ただ難解なだけであれば何も問題はないのですが、日本語をそこに埋め込むことができないなどで稀にある『英語でなければまず解読できないパズル』の場合、ヒントを使うなどしてゲームが進まなくなる事態を避けなければいけません。
この領域になってしまうと悩んで解決できるものではないため、いくら謎解きが好きなプレイヤーでもサジを投げざるを得ません。こういった事態に備え、翻訳の過程でどこまでができて、どこまでできないのか、しっかり考慮した上でプレイヤーにいかに分かりやすくパズルのルールを伝えられるかというのもまた翻訳者として重要だと思います。
もちろん、ゲーム翻訳者という立場上、介入してまでできることは非常に限られていますが、言語を扱うパズルだった場合、そのパズルのサジ加減を決める可能性が高いのはゲームの翻訳者です。
ゲームを最後までプレイしてもらえないことは、開発者にとって非常に悲しいことですので、まず進行を著しく阻んでしまわないよう、言語を中心としたパズルには細心の注意をして、できる限り難しすぎない難易度(元々の言語と同レベルくらいが理想・・・。)にしていきたいものです。

2012年3月5日月曜日

翻訳とゲーム本来の質



私はゲームを通して、翻訳業界に足を踏み入れていくことになりましたが、翻訳業界の人間である前に一ゲームプレイヤーとして、ゲームローカライズに関して、お願いがございます。それは、「翻訳によって、ゲーム本来の質を落としてほしくない。」というものです。
私は、これまでに日本のゲームを始めとし、ローカライズされたゲーム、もしくはされていないゲームなど様々な作品をプレイしてきました。この時に、非常に勿体無いと感じてしまうのが、ゲーム自体は面白いものであっても、翻訳の質が悪いがために、その作品の良い部分を殺してしまっている、というものです。この傾向は特にRPGやテキストタイプのゲームに多いです。誤字脱字はもちろんあってはならないものですが、それ以上に注意すべきなのは誤訳です。これは致命傷と言えるほど、その作品の雰囲気を壊してしまいます。

過去に私も翻訳されたゲームをしながら、日本語と英語を並べて確認したことがあります。その時の経験では、アクションゲームストラテゲームなど基本的なルールを説明するだけで、それ以外にはあまり文字を必要としないゲームは、最初に翻訳された段階でもほぼ修正点はないのですが、RPGやテキストタイプのゲームは、作品によっては誤訳や意味の通らない日本語が多いです。
確かにRPGなどのテキストが多く、更にその中にゲームの用語が多い場合、ローカライズは非常に難しいものになってしまいます。ですが、そのゲームを実際に遊ぶのは、あくまで事前に情報をほとんど持たないプレイヤーなのです。彼らには英語の情報など基本的にはなく、前情報のないプレイヤーが意味の通らない日本語を目の当たりにしたら、どう思うでしょうか。
間違いなく、その作品に対する評価は落ちるでしょう。評価が落ちれば、当然その作品に興味を持つプレイヤーは減り、正当な評価を受けられずに終わってしまうでしょう。時には変な翻訳が話題になることはありますが、通常、ゲームプレイヤーはそれを期待してゲームを購入しているわけではありません。興味があるけど、他国の言葉だと敷居が高いと考えているからこそ、日本語版を購入するのです。この時、プレイヤーの方々が求める品質は多少のブレはあれど、最低でも日本語が気にならない程度だと思います。不自然な日本語が少なければ少ないほど、混乱も減りますし、何よりゲームをそのまま楽しむことができます。細かいレベルで考えていけばいくほど翻訳の難易度は上がりますが、作品の質を落とさない、『その作品の作風に合った翻訳』を目指していきたいものです。

なので、ゲームローカライズを引き受ける以上は、翻訳者はただのゲーム翻訳者ではなく、その作品に別言語という形で、命を吹き込む開発者の一人であるということを忘れないで頂きたく思います。

2012年3月1日木曜日

‘支払いたいだけ支払う’Pay What You Want :欧米のゲームの趣向


Octodad 2

ここ1年以上に渡り、日本国内外問わず、従来型のゲーム・ディベロッパーたちの経済状況はあまり良くないようだ。これは単なる不況の問題ではなく、ゲームプラットフォームがコンソールからパソコンやモバイルなどのソーシャルゲームへと移行したことに起因する。


新たな市場が開拓されたことでソーシャルゲームのディベロッパーやパブリッシャーが最大利益を生みだすなど、ゲーム市場は成長し続けているはいるものの、従来のゲーム会社は、業界にもたらされた新しい(低)価格モデルの競争に晒されているわけだ。

とはいえ、現状ソーシャルゲームは従来のコンソールゲームやPCゲームにクオリティの面ではるかに劣るのは事実である。しかしながら、モバイル等の技術革新はご存知の通り日進月歩であり、やがて追いつかれるのは時間の問題かもしれない。

そのような現状の中、ここ23年、欧米で一気に成熟したインディーズゲーム業界が新たな価格モデルであるPay What You Want(以下PWYW。支払いたい金額を支払うモデル)方式で小さな革命を始めているのをご存じだろうか。


Pay what you want(支払いたい金額を支払う)-全く新しい価格設定モデル

PWYWは、多くの場合、期間限定でプレイヤー自身にその価格を決定させ、その付け値でゲームを提供してしまう価格設定モデルである。時には最低価格、あるいは最高価格すら設定できるバリエーションがある。特定の場合において、より多く支払うことが、ソーシャルゲームのゲーム内の購入と類似した優位点が与えられる。つまり、さらに新しいステージやゲームが追加され、新たなコンテンツが増えるわけだ。

このPWYWは、通常の価格設定が持ち合わせている多くの欠点を取り除くことができる。

1.プレイの敷居を下げるとともに、万が一ゲームが期待以下だった場合に起こる“こんな高い買い物しなきゃよかった”という失望感から解放することができる。これは特に開発者に関する情報が不足しがちなインディーズゲームにとって価値がある。PWYWはゲームを試すきっかけを与え、もし気に入ってくれたなら、次回同じ開発者のゲームを買うときにはより高い価格で購入してくれる可能性が高くなる。

2.開発者サイドにとっては、PWYW方式を使用する事で、“適切な”価格の設定という極めて厄介な作業を省くことができる。より多くの人にゲームを提供することにもつながり、ディベロッパーはファンベースを拡大し、彼らとつながりを持ち、それが上手くいけば、彼らは自発的にゲームについて語るようになる。つまりは、価格設定ひとつで販売促進行動にもつながるというわけだ。

3.最後に、ゲーマーの道徳的な側面を少しばかり広げるという点にも触れておきたい。ユーザーに納得の行く価格設定をお願いすることで、ゲームのブランドとその実際の開発プロセスについて考えてくれるようになる。こうすることによって、自分たちのお気に入りのゲームの開発プロセスに対して真剣に悩み、自分ごとのようにゲーム開発を考えてくれるようにもなるだろう。単なるゲームファンから、ゲーム産業を(これまでの購買という枠を越えて)支えてくれるパートナーになりえるわけだ。

しかしながら、PWYW方式は決して万能のビジネスモデルではない。商品開発費が高額なものは、まずはそれを回収することを考えねばならない。かつ商品複製にあたって費用が掛かるようであれば、その回収も当然必要だ。よって、商品の開発・複製が比較的安価なゲームや音楽といったデジタル関係の商品に当てはまる。インディーズゲームにはうってつけというわけだ。

また、違法コピー問題にも当然これはパブリッシャーにとって大きな損失へとつながる。ほとんどのパブリッシャーは、最新の複雑なコピー防止システムのために大金を注ぎ込んで、この問題を解決しようとしている。しかし、莫大な金額と労力を費やしたところで、解読不可能なシステムというものは存在しえない。インディーズ・ディベロッパーの多くはゲームの違法コピーはもはや避けることはできないという認識に至っている。だから、対峙するのではなく、PWYWベースにすることでより多くの人に購入してプレイしてもらうことを考えているのだ。


長所-多大な利益をもたらす

もちろん企業によっては過度な期待は禁物と慎重に見るところもあるが、ほとんどのインディーズ・ディベロッパーはこのモデルのメリットを十分に認識している。PWYWは購買層のすそ野を広げることで、熾烈な価格競争が繰り広げられている市場においても経済的に成功し得ることが実際に多くの作品で証明されている。(例えば、Radioheadの“In Rainbows”!)

普通に考えれば、最低価格ばかりで購入されてしまいそうなものだが、欧米ではPWYWに支払いの一部を慈善活動に募金するシステムを組み込むことで、さらに大きな収益を上げることに成功している。単にゲームを購入する、ということのみならず社会的意義のために行なうことで、より高いお金を支払うようになるというのだ。

ただ、気をつけなければならないのは、ゲーマーにとっての理想的なシチュエーションは基本的にゲームのダウンロードに要するプロセスが「1回のクリックのみ」ということである。よりよい効果を求めて様々なシステムを付与するとしても、複雑なユーザー登録や二次的なダウンロードクライアントが必要になる、などしてしまっては、逆に潜在的な売上を追い払い、さらには口コミによる広がりさえ奪ってしまうことになりかねない。


西洋における(無料)ゲームの売上と共同サポート

PWYWは、多くの有名なインディーズゲーム会社によって積極的に活用されている。その先駆者は2D Boyであろう。1年に渡る、World of Gooのささやかな従来の固定販売額による売上の後、PWYW方式に転向し、わずか1週間でおよそ57000本を売り上げ、10万ドルもの収益を得た。1セントしか支払わない人もいたにはいたが、多くの人はゲームに1011ドルを支払った。その上、宣伝効果が波及しSteamWiiといった他のプラットフォームにおいても売上は向上したという。

また、PWYWの最も有名な事例は、Wolfire Studioのジェフ・ローゼンによって提案された、注目のディベロッパーによるゲームの特別パック、The Humble Indie Bundleであろう。10回目のHumble Bundleの販売は、45万ドル以上の収益と2,000ドル以上の最高特別拠出、80,000本以上となった。

以来、彼らのシステムは、ペースでPWYW方式におけるインディ系ゲームのセットが購入できるIndie Royalなどの様々なクローンを生みだし、それらは独自のさらなる発展を遂げている。そして、PWYWはついに『ゲーム開発の資金調達』を可能にした。

つまり、PWYWのサポートシステムをゲームの実際の開発に向けて、ユーザーが募金できる、というシステムだ。引換に、貢献レベル次第で、プレイヤーは開発終了後にゲームの完全版を受け取るだけでなく、どれだけ募金したかが反映された追加の報酬を受け取ることができる。

これらの報酬はディベロッパーによって設定され、よってオプションで多くの偏差があるが、プレイヤーはどの程度深く開発に携わるのか、あるいはどの報酬を受け取りたいのかを自由に選択できる。

これらの報酬はTシャツ、フィギュア、オリジナルゲーム設定、コスチュームや油絵といった限定/独占版のオリジナルグッズから、ゲーム中のクレジットへの表記、あるいはキャラクターの名称やストーリーの要素を決定するといったゲームにおいて使用される特定のコンテンツを共同製作する能力まで多岐にわたる。さらに最高額以上の募金をしたファンは誰でも開発チームと一緒に、無料で夕食を共にするといったケースもある。開発者が施せること、プレイヤーが施してもらいたいこと、に制限は特にない。それは各開発者、各ユーザーに委ねられている。クレジットへの表記なんて、ファンにとってはたまらない特典だろう!

欧米における最も有名なクラウドファンディングのサイトはKickstarter8-Bit FundingそしてIndie Gogoで、Kickstarterが一番成功している。そして、日本でもCampfireが(ゲームはまだ無いにせよ)同様の取り組みをスタートさせているし、インディーズPCゲーム配信サイトPLAYISMでは先日、海外人気作TRAUMAなどのPWYW方式を開始したばかりである。(手前味噌な話だが)


次世代の戦略とは?

PWYWと資産調達のムーブメントがある一方、この資金の集め方が長期にわたって実行可能なのか、開発に必要な費用を全て賄うのに十分な所得を生み出し続けられるものなのか、ということについては、もちろん大きな疑問符が立ちはだかっている。

何より、この方式はすでに異なるディベロッパーの間で模倣され続けており、一番肝心な報道価値、バイラルを生む効果が極めて低くなっている。今のトレンドの中で、ユーザーの心を掴むことは、PWYWだけでは困難になってきている……と結論付けるにはまだ早いだろうが、そういう方向に向かっていることは間違いない。

しかしながら、常に私たちを驚かせ続けてきたインディーズゲームである。きっとまたすぐにPWYWとは全く違ったさらなる魅力的な提案をしてくるだろうと私は確信している。