2011年10月27日木曜日

日本ゲームを海外の視点で斬る! 8月発売タイトル編

「愛情があるからこそ、全力を尽くしていないものは厳しい批判の対象となる。」

こ のコラムは、毎月、海外での信頼度が高く、プレイヤーや業界の方の注目が集まるゲームズメディア関連サイト、雑誌、ポッドキャストなどを参考し、日本生ま れのタイトルに対する賛否両論を分析するコラムである。これまでの似たようなコラムの大半は、「それぞれの市場の嗜好はこれだ!」と言わんばかりの傾向で あったが、ゲームというエンターテインメント及びアートを愛するプレイヤーの好みはそんなにシンプルではないと確信する。以下のフィードバックを熟読した 上、ご意見や考えを是非、お訊かせください。

・戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校

プ レイステイーション3で発売されたシリーズの一作目は、日本国内外において、口コミや時間の経過とともに、最終的に売り上げや評判の視点からでもヒットス テータスに達した。だが、続編を期待した欧米ゲーマーにはハードとして低迷しているPSPに二作目が出るニュースはちょっと複雑な感情を生んだ。

それにもかかわらず、ゲーム性に対して多くの声がポジティブであるのだが、今月の他タイトルとの共通点の1つが存在すると指摘されている。1up.comのKat Bailey氏が語る:

“果てしないカットシーンとくだらない高校生のドラマのような薄味の対話のあるMetroid: Other MやYs 7と同様な「戦場のヴァルキュリア2」が登場します。だが、その他のゲームと違って、その上記の要素が良いゲームを汚すかどうかはプレイヤーの嗜好次第で ある。”

映像などに対してPS3と太刀打ちできないPSPだが、ストラテジー要素においては「デザイナー達がそれと賢く取り込んで、PSPの弱みを素晴らいく強みに変えられた」とBailey氏が褒めた。

だが、ストラテジーゲームの要素について多くの賞賛があるにもかかわらず、ストーリーの表現する方法が擦り切れてしまっているようだ。GameProのAJ Glasser氏が説明する:

残 念なのはその重みのないストーリーだ。面白いところが全くないとは言えないが、[…]耳障りな女子高生と陳腐なアニメストーリー要素のせいで、シリーズの 一作との繋がり感が殆どなく、最後までプレイするやる気がなくなる。さらに、「戦場のヴァルキュリア3」が出たら、今後のストーリーに対する興味が湧きお こるとは言いがたい。

ただ俯瞰してみれば「ゲーム」としては、「戦場のヴァルキュリア2」がよく楽しめる作品の1つであるのは明らかだ。

執筆者のMartin Adolfo氏の意見では「SRPGゲームとしての中では、プレイヤーは戦いの結果に無限な影響をあたえる事ができる数少ないゲームのひとつです。さらに、キャラクターの個性やミッションは、素晴らしくできています。間違いなく、今年のトップテンに入るタイトルの1つです」。

要 約すると、ストーリー部分を飛ばしてプレイすれば他にない素晴らしいSRPG経験が待っている。だが特筆すべきは、「ストーリーはいらない」との批判では なく、ストーリーの性質や内容を変えて欲しいという声が多い事である。実際には、殆ど全てライターが一作目のストーリーの新鮮さや面白さを示した。もう ちょっと「大人的」なストーリー内容やキャラクターそれぞれの表現する方法を期待している方が多いようである。洗練された一作目はそのストーリーとゲーム 性がのバランスが取れた一例があるからこそ、オリジナルの魅力が活かせるSEGAを信じているファンがまだ多いと考えられる。

・Castlevania: Harmony of Despair (Xbox Live)

い うまでもなく、「悪魔城ドラキュラ」、いわゆる「Castlevania」というシリーズは海外において、非常に人気であり、特にシリーズの2Dタイトル は大人気である。現HD時代へ入ってから2Dの「悪魔城ドラキュラ」をHD化してくれないかとのプレイヤーの声がずっと響いているが、 「Castlevania: Harmony of Despair」の新マルチプレイ要素や大胆なゲーム性が発表されて以来、ファンの中で興奮感と不安感が共存する状態となった。現在、 「Castlevania: Harmony of Despair」は既に配信中だが、評価は一致せず、分析の結論はまだ未定である。

DestructoidのJim Sterling氏がこの荒れた議論に関して説明してみた。

“「Castlevania: Harmony of Despair」は別によくないわけではありません。でもXBLAタイトルの中ではもっとも分かりづらく、相反的なゲームの1つである。現時点では、この 批評を書いている段階でもこのゲームの良し悪しに関して脳内で理解することに取り組んでいる最中だ。それが楽しかったのか、大変な作業だったのか…”

“デ ザインの視点から考え、1つの大きな問題点を言うとしたら、プレイヤーの行動に対するフィードバックは非常に悪い。キャラクターの操作に関しては、それぞ れのキャラが登場したゲームをプレイしていなかったユーザーが、その個々のキャラの特徴や操作方法が分からず、説明不足の影響でかなり戸惑うのではないか と思われる。アビリティーやゲームストラテジーは、プレイしながら徐々に身に付けるしかない。メニュー等にも不明な点が多い。”

Sterling氏だけではなく、HD化されたことは大歓迎だったが、前作のアートアセットを再利用することが多く、ちょっとがっかりしたプレイヤーも多い結果でもある。

だがユーザーはがっかりしただけというわけではない。ゲームプレイを通じた満足感が上手く説明できなかったケースは割りと多かったが、KotakuのMichael McWhertor氏がこのゲームのもっとも注目すべき点に関して簡潔に示した。

“シリーズの生みの親である五十嵐氏の他作品(悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲、悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印等)を通じて提供された素晴らしい1人プレイが本作では除かれたのは確かだが、面白い実験の1つとして「Harmony of Despair」を認める価値があるのではないか。

・ Ivy the Kiwi?

歴史の長い人気シリーズの継続作の多い8月の中、全ての面で良い評判を得たタイトルが1つだけあった:プロペ開発の「Ivy the Kiwi?」である。

JoystiqのJC Flether氏が「Ivy the Kiwi?」に関して述べた:“最近のゲームで滅多に見当たらないこと – 洗練された単純なシステムの1つがゲーム全体の楽しさや面白さを支え、いくらプレイしても飽きないこと。”

“バーチャル絵本のように彩色が絶妙で、音楽がディズニー映画から勝手に利用された印象にあっては、生々しい縮小された世界に囲まれた感じである。久々にクリエイター中裕司氏の革新的なセンスを味わえて、ファンとしては非常に嬉しいことです。”1upのCole Jones氏

Nintendo LifeのCorbie Dillard氏により、“「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が愛着あるクラシックとなったのと同じような革新性があり、クリエイター(中裕司氏)が自身の強みを把握して再び素晴らしい作品が世に出された。開発者がこんなにシンプルであり、簡単に理解できるゲームプレイの仕組みを考え付いたこと、そして実現されたことだけで驚くほど素晴らしい。

有 名なシリーズ作ではなく、8月発売の他タイトルより認知度が低いとの影響もあり、プレイヤーがあまり期待されていなかったゲームだから「裏切られた」とい う感じがなかったかもしれません。いわゆる、ゲーマーが殆ど知らないタイトルということは、逆に利点です。でも言うべきなのは、「Ivy the Kiwi?」の賞賛された点は:1)オリジナリティー 2)ゲーム性がよい形で実行された 3)3D化への傾向がある業界の中、斬新な2Dグラスタイルが 受け入れられた。

・Ys 7 (PSP)

海 外において全盛のハード上で殆ど発売されていないシリーズという理由があり、他RPGシリーズと比べれば認知度は比較的低いことも確かだが、その反面 「Ysシリーズ」ファンの熱意に匹敵するタイトルは少ない。シリーズの最新作「Ys 7」に対するやりとりはたいていポジティブだし、アクションRPGが好きなゲーマーには待ちに待ったタイトルだが、残念ながらこのゲームをレビューする チャンスを見逃したサイトは少なくはない。が、面白い分析が全くないわけではない。その分析を掘り下げていこう。

“「Ys 7」のストーリーは、率直に言うと、面白いところが1つもない。ファルコムがストーリーの要素にを力づくで入れ込んだ事が残念ですが、特にゲームの早期に わりと大きな役割とされたことは、ゲーム全体のプレイ経験を損なう可能性もある。だが、その単調なテキストや普通のキャラクター肖像のから外れた部分を覗 いてみると、アクションRPGとしては近年そのジャンル全ての中でも快作である。ストーリー自体が幾ら平凡でも、間違いなく「Ys 7」はアクションRPGファンが見逃せない、プレイすべきタイトルである。王道のゲームスタイルに根付いたことは関係なく、戦闘のスピードや爽快感が絶妙 である良い影響のおかげで、そのストーリー要素を大目にみられる可能性が高い。”

非常に洗練されたゲーム性とその爽快感を提供したのであれば、ゲーム全体の品質(ストーリー性等)を同じレベルで維持しなければ、全てが台無しになる可能性は低くない。これは前述の「戦場のヴァルキュリア2」に対する意見との共通点として注目すべきポイントではないか。

公 にこのシリーズの大ファンとして知られるGamasutra編集者のChristian Nutt氏は、Parish氏と違ってゲームの他の部分を重視した。戦闘やゲーム性全体としては非常に良いと発言されつつも、「Ys」というゲームのもっ とも大事な要素がなくなったのではないかと語られた。その要素というのは、「孤独感」である。ゲームシステムとしてはパーティー(キャラクター3人を切り 替えながら、それぞれのキャラクターの特技を使いこなす)という仕組みが楽しく、よく出来たところですが、そのシステムの影響で、1人でダンジョンの深い 奥まで厳しい困難を乗り越える要素は「Ys」というゲームシリーズの醍醐味ではないと位置づけられてしまった。実は、「Metroid: Other M」に対しても似たような意見が多数あった。

・Metroid Other M

特 に海外市場の中ではいうまでもなく、期待作の極致だ。一方で、待ちにまったタイトルだからこそ、評価が通常より厳しくなるとも考えられる。ゲームが通常、 評価される要素においては(映像、ゲーム性、音質など)「良い」という声が多かったのは確かだったが、ほぼ全てのライターが重視した、「ゲームが良いかど うか」の評価基準は、メトロイドの主人公であるサムスの性格や本質を表現する方法ということであった。

G4TV.com、ゲームに関する最大メディア(テレビ、ウェブなど)の1つであるAbbie Hepp氏が、「Metroid Other M」というゲームだけではなく、そのゲーム制作や開発の責任者へ非常に厳しい批判を示した。当然ゲームファンのコミュニティー間で話題になり、かなり大きな影響を与えた。

“Other  Mまでは、サムスは完全に無言の主人公で、「人格」というものはプレイヤーの想像上にしか存在しなかった。[…]サムスはこの15年間、一人でいろんな ミッションに挑戦したり、スペース・パイレーツを退治したり、宇宙を救ったり、自分の力でサバイバルに挑むようなキャラクターだったということを忘れろと 言われているように思える。Other Mでは、サムスは「受身で子供っぽくて自信もなく、男性にちゃんと命令されないと自分では何も出来ない弱々しい女 の子」という印象が与えられる。”

“「完 全受身でとりあえず言われたことに従う」という時もあるが、そうでない時はフラッシュバック・シーンによって与えられる印象はかなり生意気でガキっぽい感 じになり、いわゆる性差別の臭いがプンプン出ている。それ以外のゲームプレー(キャラクター・デザイン、サウンド、そしてレベル・デザインも含め)に関し ては、あえて中途半端としか言えない。Other Mは、誰がやっても「期待して損した」というような気持ちを抱くでしょう。ストーリー的には、当たり外 れは五分五分で、その中に「あ、これはよくやったな」と思わせるような場面は少ししかない上、任天堂が今までこのシリーズに込めいてた力はどこへいってし まったのでしょう。”

“ゲームのポイントはというと、ゲーム史上最高の偶像的(しかも性的特徴のない)女性キャラクターを具体化することだったのに、結果としてはサムス本人にもそのファンの皆さんにも失礼に当たる気がする。”

上 記の通り、ライターだけではなく、ユーザーでもゲームの評価というものに対して考えているケースはすくなくはなく、むしろ増えている。重要なポイントとい うのは、ゲームをプレイすることを通してプレイヤーの愛情が沸き、その上にゲームとそのキャラクターやストーリーによって、他の「アート」なメディアと同 じように感情移入できる。そう考えると、このような意見が増えてもおかしくはない。実に自然な流れと考えられる。クリエイターの方がこのポイントを念頭に 置くのは、ゲームというメディアの未来を守る為、大事な忠告だと考えられる。